完璧でないところに可能性と発展がある
完成は崩壊の始まり
お寺を建てるとき、逆さ柱を寺の柱の一つに入れるらしい。
日光東照宮の陽明門はこの逆柱があることで知られている。
「建物は完成と同時に崩壊が始まる」という伝承を逆手にとり、わざと柱を未完成の状態にすることで災いをさけるという、言わば魔除けのために逆柱にした。
鎌倉時代の「徒然草」には、完全なものは決して良くはない、それで内裏を造る時も、必ず1か所は造り残しをする、とある。
この世に完璧は存在しない。だから、不完全な状態が安泰を保ちやすい。という発想であると思われます。
これと同じような考え方が易経にあります。
水火既済という卦です。
水火既済は完成の卦で、水と火のバランスがとれて、完成されている。
であるから、ここから乱れが始まる。という思想です。
完成は乱れの始まり。
お寺も、完璧は乱れの始まり、だから、逆さ柱を使う。
人においては、「自分は何も悪いことはしていない。絶対に悪いことはしていない、間違ったことはしてきていない、誰にも迷惑をかけていない。」
という頑固な人に運命の袋小路、行き詰まった状態に陥りやすいと思われます。
人は、完璧でない方が人に愛され、人に可愛がられるものです。
自分の子供に対しても、世の中や、学校で問題のない子供であってほしい。
と、期待するほど、子供の自然な成長、伸び伸びした自主性を損ないがちです。
自分は完璧でない。と、思う方が、世の中は受け入れてくれるようです。
自然法算命学の星で出てくる再建(破)格のように、完璧でないところに可能性と発展があるという思想に通じています。
再建(破)格の人は、世の中で大きな仕事を成す人が多いです。
再建(破)格の人は、世の中で大きな成功を成した後、その地位、財産に執着すると、運勢が崩壊の道へ足を踏み入れてしまいます。
再建(破)格の人は、死ぬまで立て直しの覚悟を持つと、世の中の必要な人生となります。